こういう整備はなかなかないんじゃないかというちょっとエグめの整備ネタをご紹介します。
トヨタの高級ミニバンヴェルファイア。走行距離はまだ8万キロくらいです。
エンジン始動しないということでレッカーでご入庫されました。
新規のお客様ですので整備履歴が全くありません。
はじめはスターターモーターか燃料ポンプのトラブル、8万キロくらいでよくあるやつかなくらいに考えておりました。
で、開けてみてびっくり
なんですか。これ。
配線が燃えている。ていうか溶けてます。スターターのターミナルや配線を溶かしてしまっているので当然エンジン始動しません。
あと、周りの金属パーツの腐食もエグい。
実はこれ、バッテリー液が漏れだしたことによる腐食です。
ご存じの方も多いと思いますがバッテリー液というのは硫酸です。
万一ふき出したり漏れだしたりということがあればこういうことが待っているわけです。
はっきり言って大変危険な状態です。
バッテリー液が噴出した原因は?ということでオルタネーターのレギュレーター部分の故障による過充電なども
疑ったのですが、結果バッテリー本体の不良という線に落ち着きました。
中古部品から配線を流用、当然スターターモーターとバッテリーは新品交換。
で、何とか修理完了いたしました。
実はディーラーで点検を受けた時に”バッテリー液が漏れている”と言われていたそう。
その時に対処していればとちょっと悔やまれるトラブルです。
がなんにしても車両火災などの重大事故にならなくてよかったです。
ご入庫ありがとうございました。
つづいては
ホンダバモスの鈑金修理。ではなく雨漏れ修理の模様です。
運転席足元がびしゃびしゃになる。ということでエアコンのドレンホースの詰まりかフロントガラスの接着不良を疑いたく
なるのですが、そのどちらでもありません。
どこから漏れてるのかわからない雨漏れは、もう完全にゴム類とかガラスの接着面とかからではないケースがほぼほぼで
結局このように雨漏れ個所を目視できるまで車を骨組みだけにする作業がひつようになります。
車のパネルはスポット溶接で組み立てられていて、その継ぎ目には弾力性のあるシーラーで目止めされているのが一般的です。
で、長い年月の間にはシーラーがひび割れを起こして少しずつ浸水。
まさにこのバモスの場合はそれでした。
ご入庫ありがとうございました。
ということで今回はわりとショッキングな画像のオンパレードだったような気がしますが
気分悪くなった方、いませんか?
これからもこういう好奇心を刺激するようなアカデミックなネタを掲載してまいりますので
どうぞまた見てくださいませ。
実は昨日から相馬自動車商工は盛んに営業しております。
ちなみに昨日は部品屋さんもお休み中のところが多いのでほんとに
ゆるく営業していたのですが、こんな整備を行いました。
エンジン不調、チェックランプが点灯したBMW1シリーズが入庫しました。
テスターで診断の結果点火系統の不調の判明しました。
部品価格を調べて来週のお見積連絡となります。
続いて100系ハイエースの車いす移動車。
リフトのフラップ部分がゆっくりと開閉してくれない。とのこと。
正常なフラップはリフトが下に降りるとゆっくりと開くのですが
それをつかさどっているのがこのチェーンとモーターによる駆動
当社の福祉車両担当Yメカが一発で原因究明しましたよ。
この穴にはまるロールピンという小さいピンが欠損してしまいました。
この状態だと開くときは勢いにまかせてパタンと。
閉めるときは、手動で(笑)ということになってしまいます。
モーターが動いてもチェーンを引いてこれない。
これがロールピン。
この部品は在庫がありますのでその場で修理完了しました。
という感じで本日8月17日も午後五時まで盛んに営業しております。
行きつけのお店がまだお盆休みで・・・・・・なんていうお客様はぜひご連絡ご来店ください。
なにかお力になれるかもしれませんよ。
今年10月よりOBD検査の本格運用が始まります。
これは電子装置(自動ブレーキやオートクルーズコントロールなど)の
機能検査を車検時に義務付けるものです。
国産車は令和3年以降の新型車、輸入車は令和4年以降の新型車がOBD検査の対象となります
(ご自身の車が対象になっているかどうかは車検証の備考欄に記載があります)
車両のコンピュータと国土交通省の検査用サーバーを接続し、車両にトラブルが発生していないか
の検査を行います。
相馬自動車商工でも来るべきOBD検査に備えてOBD検査(プレ運用中なので正確にはOBD点検)を
やってみましたよ。
記念すべきOBD検査第一号はトヨタRAV4ハイブリッド。
令和4年以降の新型車なのかは微妙なのですが、新しそうな車ということでお勉強させていただくつもりで検査用スキャンツール
を接続しました。
最近のお車はOBDの接続端子の場所も統一されてきた感があります。
運転席の足元を探せば大体見つかります。
デンソー製のVCI(検査用スキャンツール)を接続。
アプリを立ち上げて検査開始。
待つこと10秒くらいでしょうか。
適合との判定が。
まあ、適合は当たり前として、システムがうまく動いてくれたことと自分でOBD検査を滞りなく
出来たことにほっとしましたよ。
なお、本番のOBD検査ではこの検査記録は国交省のサーバーに保存されますので不正はできない仕組みです。
検査記録をプリントアウトすることも可能。
はっきり言って検査そのものは半自動。難しいことは何もありません。
それよりもここに至るまでの段取りというかスキャンツールの購入やらアプリのインストールやら
電子証明書の取得やら、利用者登録やらなんちゃらかんちゃらがめんどくさかった!
習うより慣れろ。と言いますからね。
新しいお車にお乗りのお客様もよろしければ相馬自動車商工での車検ご入庫をご検討くださいませ。
大型車のボールジョイントブーツ交換の模様です
ダブルキャブのキャビンはけっこう重い。
こいつを持ち上げて
タイロッドエンドとドラッグリンクのボールジョイントブーツを
交換しております。
小さい部品ですが大きな役目をしております。
しっかり車検点検の項目にも入ってます。
ドラッグリンクもタイロッドエンドもジョイントブーツは同じ部品が使われてました。
取り外しはある種力わざ。
ナックルの端っこ。この部分をハンマーでガンガンはたいて衝撃でジョイントを取り外します。
歴史と伝統のちからわざです。
専用工具もないことはないのですが、慣れた人に言わせるとちからわざの方が早いそうです。
続いては、相馬自動車商工らしくVOXY福祉車両の車いすウインチの故障修理です。
助手席についてるチャイルドシートの紐?がウインチにかみ込んでます。
このかみ込んだ紐をていねいに取り除いて修理完了。
最後。
最近おなじみになった大型車のエアコンリフレッシュ。
貨物も商用車もエアコン装備は当然の時代。ていうか運転してる時間の長い商用車のほうが
エアコンは重要かもしれません。
大型車でも軽自動車でもエアコンリフレッシュは税込11,000円。
エアコンの予防整備と言ったら、これ一択。
車検や定期点検と同時にお申し付けいただくのがよろしいのではないでしょうか。
一年間車検が切れたまま放置状態だったトヨタパッソを
復活させたいというご要望を受けてセーフティローダーで引き取りに行ってまいりました。
ビフォー↓
一年間樹木の下に放置されていた車両は大体こんな感じです。
色々ご感想はあると思いますが、私的には想定内。
見た目はともかく、エンジンのほうはバッテリージャンプをしてちょっとクランキングすると
昨日までフツーに走っていたかのようにあっさり目覚めましたよ。
車検整備を担当したのは若手のYメカ。
毛虫に気をつけてね。(昔この手のお車で当社のメカで毛虫に刺された人がいた)
くらいしか申し送りをすることなく、
タイヤ、バッテリー、オイル類、ブーツ類子交換くらいでフツーに復活いたしました。
アフター↓
放置状態の車を復活させると走り出してからオイル漏れや水漏れなんかが発生することが
あるみたいですが、今のところこのパッソは無問題。
どちらかというと大衆車のパッソですが、作りというか精度は素晴らしい。
トヨタはすごい。
迷ったらトヨタ。ていうのは実際当たっているのではないでしょうか。
ちなみにこの1000CCの1KRエンジンはダイハツも開発に絡んでおります。
ちょっと嬉しいです。
ご入庫ありがとうございました。
先月から相馬自動車商工の新サービスメニューとして
絶賛売り出し中のヘッドライトリフレッシュ。
ご好評をいただいているリフレッシュ加工の現実とは。
20年位前から採用されたプラスチックのヘッドライトユニット
自由なデザインを作り出せるのが採用のポイントだったのでしょうけど
プラスチックならではの弊害も。
プラスチックせいのヘッドライトレンズ表面は細かい傷がつきやすく
また、ヘッドライトの熱などで曇りや変色、黄ばみも起こります。
ヘッドライトリフレッシュの施工ステップ1として
レンズを磨くのですが、このステップ1こそ
実はヘッドライトリフレッシュのキモ。
ヘッドライトレンズの曇りいわゆる目が死んでいる原因の半分は
この黄ばみだったのです。
どーです?
この黄ばみ。
こうなってくると明るさが足りなくなるのはもはや必然。
こちらのフィットでも。
施工前↑
施工後↓
理想の目の輝きを取り戻しました。
新メニューのヘッドライトリフレッシュ。
この黄ばみ落としを入念に行ったうえで
コーティングを行ってプラスチックのレンズ面を保護します。
微粒子のコンパウンドでレンズを磨くだけいいじゃん。とか言うな。
それだけだと、そうですね。
次の日には目が死にはじめているんじゃないでしょうか。
ヘッドライトってだんだん暗くなりますから
毎日乗っていると気づきにくい。
ぱっと見ヘッドライトの輝きが失われたなと思ったら
一度ヘッドライトリフレッシュを
検討してみてはいかがでしょうか。
2年に一度、車検ごとの施工がおすすめです。
アクアのリヤハブベアリング交換の模様です。
オーナー様はハブの異音には気づいてはいたのですが、そのまま高速移動も含めてあちこちお出かけ
されていた模様です。
お客様が”ハブだと思う”とおっしゃる通り、ハブです。
ハブの異音って、アクセルを離して惰性で転がるように走ってみるとよくわかるんですよね。
最近の車のハブベアリングは通称一個式とかいって、インナーアウターひとまとめのでっかいハブベアリング
が使われてるケースが多いです。
スライドハンマーで引っ掛け外すイメージで取り外して交換します。
つづいてハイエース車いす移動車のフロントハブ交換の模様です。
福祉車両といえども車ですから。
というわけでフロントハブベアリングの交換はちょっと大変。
ステアリングナックルを取り外さないとやりにくいんですよね。
やりにくい。とはいえやり方のわかっている作業は、行ってみれば作業的要素の多い修理
と言えなくもありません。
ひたすら手を動かすというイメージでしょうか?
回路図とにらめっこ。などという電気的故障とはちょっと質の違う修理といえるでしょう。
↓こちらはマツダベリーサのパワーウインドウモーターの交換作業の図です。
ガリガリガリとか言ってそれっきりパワーウインドウが動かなくなった原因が
このモーター。
モーターそのものというよりそれにくっついてる歯車がすり減ったために
起こった故障です。
社用車ということもあり、中古品のモーターを調達して交換しました。
↓フィアット500です。
ブルートゥースのレシーバーを取り付けるためにオーディオを取り外しているの図です。
輸入車のオーディオはパネルにはめこんであるだけで取り付いているものが多いです。
が、取り外しとなるとこの、針金を曲げただけのような工具が必要になります。
今回は以上となります。
ちゃくちゃくとネタは集めてありますのでまたご期待くださいね。
昭和50年9月8日の日刊自動車新聞が発掘されましたと。
今では珍しくもなんともなくなった自家用乗用車の自動車リース業を
栃木県でいち早く始めた”アイデア企業”の相馬自動車商工などど
全国版のこの新聞で紹介されました。
当時ピヨピヨの私はこういう記事になったこととか
いちはやくリース業を始めたことなど知るよしもなかったわけですが。
読みにくい当時の記事を掘り起こして読み進めると
”定款にリース業をうたっている会社は多々あれど、じっさいに乗用車のリースに手を出す業者はいなかった”
とか
”農村地帯に残っている「借りものの車に乗っている」という自尊心を傷つけないために、全従業員に
リース車であることを社外に漏らさないよう口止めした”
やら”ユーザー出費はパンクと燃費だけ”
など古文書を読み進めるかのごとき興味深い記述がみられます。
私の知る限り当時の相馬自動車商工はガチガチの技術志向の強い職人系の整備業だった覚えがあります。
が、当時の社長(現会長)がアイデアマンであり、しっかりとしたリサーチと強い信念と先を見る目を
もってリース事業部を立ち上げたのだなあと思いました。
リースメンテの記録はすべてノートに(ノートパソコンでなく紙のノート)
記述して細かく管理していたそうです。
”県内でいち早くタイプ打ちの請求書を導入”
とか。
そういえば
当時の相馬自動車商工のキャッチコピーが
”コンピューターのある整備工場”
だったのを思い出しました。
いつの時代もいち早くリスクをとって勝負するというのは
差別化の基本。
”現社長のお前はどーなんだ?”
とこの古い新聞記事(と会長)に問われてるような気がしてなりませぬ。
それにしても
”パンク代”(笑)
農村地帯の栃木県黒磯市(当時)ではそんなにパンクが多かったんですかね?