最近の整備ネタをご紹介(動画あり)。
福祉車両専門店の相馬自動車商工ですが、要するに町の車屋さん。
どちらかというと昔から自動車整備を中心にやっております。
よって、お買い上げいただいたお車もそうでないお車もいろいろ多彩なお車が修理でご入庫されます。
本日も私が整備工場内を徘徊して集めてきた整備ネタをご紹介いたします。
当社のレジェンドWメカと、百戦錬磨のベテランNメカのコラボ。
車検でご入庫いただいたキャンターのパワーゲートを修理しています。
ここに入っているこの鉄棒
正式名称はトーションバーといいます
この棒のねじれによる反力を利用して
ゲートの開閉を軽くする仕組みなのですが、
ベテランのNメカにして
”はじめてやった”
という代物。
こういった整備はいくら診断機をつないでもできませんからね。
長年整備工場で手足を動かして身に付けた技術ていうのは
こういう整備でこそ発揮されるのでしょう。
ご入庫ありがとうございました。
↑
続いて、右フロントのエアサス故障で一輪だけ車高が落ちてしまった
メルセデスベンツSクラスの作業の模様です。
・・・・・・が、気が付いたら修理が完了していましたので
症例だけ。
これじゃ走れんでしょ。
まあ、お客様は自走でご入庫されてしまったわけですが。
エアサスの交換とフェンダーの鈑金塗装で修理は完了したのですが
かなり高額な修理になってしまいました。
外車は壊れる?じゃあ国産車は壊れないのかというと、国産車も壊れます。
結論
高額な機構を採用したお車は修理代も高額だ。
当たり前ですがそんなことを実感しましたよ。
Sクラスはお金をかけても乗り続ける価値のあるお車だと思います。
どうぞ末永くこのお車をご愛用いただければと思います。
こちらは車の写真が写っていませんが、
トヨタのプラッツというお車のクラッチ交換の模様です。
プラッツっていうのは初代ヴィッツのシャシを利用した小型セダンで
一代限りで終了してしまったのですが、マニュアルしか運転できない
割と年配のお客様に愛用されているケースが多いみたいです。
”ギヤが入りづらい”というお話からクラッチの操作系かなとも思ったのですが、
クラッチ板が摩耗する→クラッチカバーのツメが立ってくる→クラッチが重くなる
という感じでギヤが入りづらくなったのだと思います。
”昔はさんざんやった”というベテランWメカの話でしたが、共同作業していた
当社新人メカのG君にはちょっと新鮮だったかも。
ご入庫ありがとうございました。
愛車のブラッツをいつまでも快適にお使いいただけるよう努めさせていただきます。
今後もよろしくお願いします。
続いては、フォレスター(SH系)
3代目に当たるフォレスターの修理の模様です
こちらもお車の外観写真を撮り忘れましたよ。
でもって、故障事例というのはこちら。
人間でいうとケガというのか病気というのか微妙ですが
どちらにしてもこれはえらいこっちゃ。
リヤのテンションロッドが折れてます。
事故ではなく経年によるさび、腐食によるものです。
テンションロッドというのはサスペンションのロワアームとボディを接続している部品でして
コーナーリングのときとかにタイヤの位置を適正な位置に保つ役割をしています。
ちなみにテンションロッドを外した状態はこれ↓
いや、この状態で運転できると思います?
積載車で回送してきた当社の工場長によると
走るどころか
積載車に乗せるのも一苦労だった。
とのこと。
車の向きを変えるのはハンドル。ハンドルを回した方向に車が向いてくれない状態を想像してみてください
折れてるのがリヤのテンションロッドだったので
車のフロント部分はハンドルを回した方向に行きたがる。
リヤがいうことを聞かない。で、どーなる?
私が想像するにハンドルを回してキャリアカーの荷台にフロントを乗せるとリヤは荷台から落ちようとする。
リヤを荷台に乗せるためにはハンドルをキャリアカーの荷台から落ちるくらいに回さないとならない。
しかもリヤがふらふら動くため
これだけハンドルを回せばリヤはこれだけずれてついてくるという感覚がまるでつかめない。
よく一人でキャリアカーに載せたな。と思いませんか。
全体に足回りの腐食もかなり進んでます。
今回はリヤ足回りを可能な限り中古部品に交換させていただきました。
車検の時にお客様にお勧めすることの多いシャシペイントですが
車検の仕上がりを良くするためだけのものじゃないんですよね。
文字通り防錆塗装ですから、シャシペイントにはしっかり意味があります。
融雪剤の散布が多い地域にお住いのお客様ばかりでなく
予防整備という意味で新車一回目の車検から防錆塗装をご検討いただけると幸いです。
ご入庫ありがとうございました。