最近の整備ネタをご紹介。
車検でご入庫いただいた平成13年式トヨタグランビアベースの民間救急車
エンジンからのオイル漏れが激しいです。
走行29万キロということで、通常なら車の買い替えをお勧めするところなのですが、
ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが民間とはいえ立派な救急車
赤灯こそありませんが室内には高圧酸素やらその他高価な医療器具が満載。
点滴を固定するホルダーとかベッドとか収納スペースとか
同じ仕様の車をもう一度作成してナンバーを取得するのも大変です。
というわけで、中古エンジン。
・・・ありません。
リビルトエンジン。
・・・ありません。
しかしここに現物の(オイル漏れした)エンジンはあるわけですから
やることは決まりました。
次の瞬間エンジンが車両から取り外されました。
このグランビアは4WDなのでオートマミッションを取り外し、サスペンションメンバーごと
エンジンを取り外します。
取り外したエンジンをしみじみながめてみる。
オイル漏れしてますが、どこからだろ?
漏れすぎていて発生した箇所を特定しずらいです。が、
液体は上から下に流れるということから推測すると
シリンダーヘッドからのオイル漏れでは?と推測されます。
まあ、ほかにも複数個所からのオイル漏れは考えられます。
取り外したエンジンからさらに
補器類(配線配管類等)マニホールド等を取り外して外注先のリビルト工場に送ります。
しかし私はいつも思う。
こんなにばらばらにしちゃって、絶対元に戻らんでしょう。と・・・・・・。
で、クリスマスにも間に合わず、年越しにも間に合わず
待つこと1か月半。もうだめか。とあきらめかけた1月中旬
オーバーホールを済ませてリセットされたエンジンが相馬自動車商工に戻ってまいりました。
エンジンオーバーホール、タイミングベルトの交換、ヘッドカバーやブロックは再塗装され
ベンチテストを経て保証付きでグランビアの5VZエンジンが戻ってまいりました。おかえりなさい!
余談ですがV型エンジンは造形がおもしろいよね。
なんか、この古いテープレコーダーに似てないか?
できる人にとってはこの組み立て作業がプラモ作るみたいで楽しいみたいです。
ここまでくるとほんとに元に戻るんかい?という疑問はさすがに解消。
早くエンジンが動くところを見てみたいわけですが。
冷却水、オイルの点検はもちろん。手動でクランキングさせて感触を確かめたりとか
ちょっとAIにはできない人間らしい作業の連続です。
ここから先は動画で。
と思っていた矢先、いつのまにかエンジンが車両にもどされ、試運転をへて無事納車となっておりました。
当たり前ですが”ボルト一本余らなかった”とは執刀を担当したベテランNメカの弁。
長期入院を余儀なくされたグランビアですが無事に退院できてよかった。
ご入庫ありがとうございました。
つづいては↑の重整備よりはややライトな整備ネタ
もうお分かりですね。
トヨタアクアのハイブリッドバッテリー交換です。
リヤシート下にある144ボルトのハイブリッドバッテリーを取り外したところです。
最近はコスパの良いリビルトのハイブリッドバッテリーも出回っております。
6か月の保証も付いてきますので当社ではこちらをお使いいただくのをおすすめしてます。
リビルト部品にはボルテージセンサーとジャンクションボックスがセットされてますのでその分お買い得。
ということでこちらも何事もなかったかのように無事に作業完了。
やっぱりこういう仕事はAIにはできないでしょう。
ということで好きな方には興味深いこんなこと、あんなことをこれからもご紹介させていただきます。
どうぞお楽しみに!