おもしろ整備ネタをご紹介。(動画あり)

ご興味のある方には結構面白い整備ネタを集めてみました。
興味がなくても相馬自動車商工はこんなことをやってるんだと思いながら見ていただけると嬉しいです。

完成検査中のプリウスなのですが、違和感、感じませんでしょうか。
わかりますかね?クルマの目の色にご注目。
右(運転席側)→正常。左(助手席側)→異常。
右→明るい 左→暗い、
右→白 左→オレンジ

右目(正常)

左目(異常)
実はこれ、切れかけたHID バルブの色なんですよ。
切れかけというのが実はミソでして、以前のハロゲンバルブは切れかけっていうのはなかったと思います。
いわば点いてるか、消えてるかだったのですが、
15年ほど前(もっと前か)から車のヘッドライトに採用され始めたHIDバルブには切れかけた状態というのが存在するんですね。
ただ、この状態ではもはや光度が足りなくて車検は通りません。
問題は、HIDバルブは結構高額です。ハロゲンバルブに比べると5-6倍の価格差があります。
寿命も長いが価格も高い。
この辺は消耗部品の常でして、高額な装置は補修部品も高いんです。こういうこともあるのか。って感じで頭の片隅でも入れといて
いただければ幸いです。
つづいて
ハイエース車いす移動車の前側の固定装置がかからないという故障の修理です。
いわゆる何をやってもワイヤーのたるみが解消されない状態でして
これでは固定装置を使えません。
ワイヤー本体、巻き取りのゼンマイなどを交換してみたのですが、一向に減少が解消されない。

固定装置全て取り外しましたよ。

↑余談ですが固定装置全体はフロアから木製の合板をつかってかさ上げ(?)されてるんですね。びっくり。
で、原因がわかりましたよ。

巻き取りゼンマイを固定するプレートの中心の穴。がセンターからずれてます。
用は使っているうちにセンターの穴が大きくなって隙間ができちゃったんですね。
固定用ワイヤーが動く距離は実際にはいくらでもありませんので、
これだけの隙間ができるとそれが遊びになって固定用ワイヤーのゆるみを作ってしまっていたのですね。

わかってしまえば納得できる故障ではあるのですがここにたどり着くまでにメカニックのY氏は
疑問符が三つくらい頭に浮かんでましたよ。
続いてはブレーキがきかない。
という故障でご入庫のシエンタ。

ブレーキパッドが消耗してブレーキが効かないとかいうのは実は末期症状でして、
ブレーキパッドにブレーキを踏む力が伝わらなくできかないという故障の方が多いです。
この故障とかはまさにその通り。

ブレーキマスターシリンダーの液漏れが故障原因なのですが、漏れたブレーキ液が見当たりません。
見当たらないということは、見えない場所に漏れてるということで、実は倍力装置であるマスターバックの中にブレーキ液が漏れてました。

マスターバックとマスターシリンダーを切り離すとマスターバックの中はブレーキ液でひたひたです。


結局ブレーキマスターシリンダーとマスターバックの両方を交換したのですが、
けっこう危険なこの故障を未然に防げなかったのか。
ブレーキパッドやブレーキシューが減ってもブレーキ液面が下がります。
しかし言ってみればそれはブレーキの減り具合に応じて徐々に下がるのであって、急激に液面が下がったななんて時は
こういう故障かもしれません。
以上、今回はちょっと興味深い故障事例をご紹介しました。
次回をお楽しみに!