Zおやじの会
ニッサンフェアレディZをこよなく愛する当社Nメカニックが在籍しているおかげか
最近相馬自動車商工には古いフェアレディZが集まってきます。
今回ご紹介する平成4年式フェアレディZ(Z32型)もそんなNメカを頼ってご入庫いただいた一台です。
症状は。というと
このZも、よる年波には勝てず。というか各部オイル漏れ、水漏れ、その他いろいろといったところです。
こういった旧車は部品供給があるうちに修理できるところは修理してしまうのが鉄則。
真っ赤なボディの憧れのスポーツカー。ニッサンフェアレディZ。
昭和が平成に変わるころのバブルまっただなかに登場しました。
どーです?このフード先端の低さ。
安全基準が厳しくなった現代のスポーツカーではかなかかお目にかかれないグッドデザインです。
↑そんなグッドデザインの割を食ったのかエンジンルーム内はキチキチに補器類がひしめき合ってます。
↓ヒューズボックスやら燃料フィルターが行き場を失って斜めに取り付けられてます。
言っときますけどこれでノーマル状態ですからね。
整備性の悪さは当時から何人ものメカニックを泣かせてきました。
↑水漏れ
↓オイル漏れ
↓いろいろ漏れ(笑)
整備計画は当初から決まってます。ていうかまずはエンジンを取り外してみる。
極端に整備性の悪いこのお車の場合これがいちばん手っ取り早い。
何をやるにもエンジンを外さないと始まらない。まるでレーシングカーみたいです。
レーシングカーと違うところは、まあたくさんありますが例えば
市販の車にはエアコンやらなんやらの快適装備が付いてますから作業が複雑だということです。
この車は昔のR12フロンガスを採用していますのでガスを抜いてしまうともはやフロンガスが手に入りません。
エアコンコンプレッサーや配管を取り外さずにエンジンを脱着する必要があります。
ということでエンジンが取り外されました(笑)
これからが本番
ちなみにエンジンを取り外したエンジンルームはこんな感じ
車体側に取り残されたハーネスやホース類が生き物のようです。
エンジンを取り付けるときにこれらの取り回しを考えないとトラブルのもとになります。
↓エンジンを単体にすることで見えずらかったオイル漏れの全貌が見えてきました。
ツインカムエンジンなのでカムスプロケットが2個。
V型エンジンなので合計4つのカムスプロケットが見えます。いつ見てもメカメカしいというか面白い造形です。
分解して
また分解して
今回新品交換した部品のほんの一部↑
↓だんだん形になって来たよ
↓部品待ちの時間を利用してエンジンを取り外したエンジンルームを洗浄します
↓その後自走できないZを人力でリフトに戻すと。
そんなこんなで苦節3か月。
とうとうこの日がやってまいりました
このZ復活劇に涙を流した人は、まあ、いませんでしたが
わたしはこころの中で涙してましたよ(本当)
それにしてもあらためてスポーツカーの3原則
低く、幅広く、短くを体現したようなZ32のプロポーション。
のびやかでアメリカーンなプロポーションは歴代Zの中でもとびぬけているんじゃないでしょうか。
↑現行のRZ34型フェアレディZ。後姿はこのZ32のオマージュを感じるんだが、どうでしょう。
ご入庫ありがとうございました。
今回の執刀医は自らもシブいZ33型フェアレディZを転がすNメカが担当いたしました。
那須塩原市近辺の迷えるZおやじの皆様からのお問い合わせをお待ちしております。