かなりヘビーなデイムラーダブルシックのスエアコン修理。

たぶん当社のメカの誰もが経験したことのないであろうヘビーな修理を
当社いちばんの若手メカが見事にやり遂げましたのでご紹介させていただきます。
患者(患車?)様はこちらのおクルマ。
1995年(平成7年)式のデイムラーダブルシックス。
美しすぎるシルエットの名車です。
当社にご来店のお客様にもこのエレガンスなたたずまいに
”これ、いいよねぇ”とか”ぴかぴかじゃん”とか”いくらですか?”
とかため息まじりの感想をたくさんいただきました。
もちろんお客様からのお預り車ですからしっかり修理してお返しするのが
われわれの役目。
今回この大役をおおせつかったのは当社いちばんの若手メカ若干24歳のY氏。
当社入社後講習に通って整備士免許を取得したというたたきあげです。

症状はシンプルに”エアコンが効かない”
たしかに効きません。
コンプレッサーの故障とかコントローラーの故障というよりは、エアコンガスそのものが循環
していないみたいです。

ガスを足して様子見てください。なんていう小手先じゃなおりません。

高圧パイプが詰まってるんですよ。
まずはパイプを外して、出てきた物体はこのつぶつぶ。
そう、これは古い車のエアコンでいちばん悪さをするパターンの、あのレシーバータンクのなかの
活性炭。本来湿気を含んだエアコンガスの湿気をとるためのものなのですが、
経年によりバラバラの粒になってエアコン配管の中にでてきて配管を詰まらせてしまいます。
これは始末が悪い。
じつはわれわれも自動車電装店に外注を試みたのですがお断りされてしまい、腹をくくりました。
詰まっている高圧パイプは取り外して交換します。
つぶつぶがまわってしまった室内側の熱交換器エバポレーターも交換します。
室外側の熱交換器コンデンサーも交換。レシーバータンクももちろん交換。
そして肝心の高圧パイプも・・・・・・。
なんと高圧パイプは生産中止。
しかし懇意にしている部品商様からの情報提供により高圧パイプを作っていただきました。
これは助かった!

エレガントなインテリアをバラバラに・・・・・・。

こうしないとエバポレーターは外れません。


さらにバラします。

もはや元に戻らん・・・・・・
なんてことはありませんのでご安心を。

ついにたどり着いたエアコンのクーリングユニット。
この奥に肝心のエバポレーターが・・・・・・。

ついにエバポレーターにたどり着きました。
左側、パイプが2本付いている部品がエバポレーターです。

元通りに組み立ててエアコンガスを入れて完成!
って私なんかが言うのは簡単ですがね。
若手メカのY氏。
この困難な作業を先輩メカの知恵を借りながら見事にやり遂げました。
かなりのお時間と費用をちょうだいしてしまいましたが、完ぺきに冷えるようになった
デイムラーのエアコン。
私もご納車に同行したのですが、整備内容をお客様に説明するYメカの表情は
こころなしか誇らしげだったのが印象的でした。
修理をご用命いただいたお客様と、このヘビーな修理を表情一つ変えずたんたんとやり遂げたYメカに感謝申し上げます。